バーボン

バーボン

 

 平成10年頃、すごくストレスがたまった時期があった。ストレスを酒で紛らすには、それまで飲んでいたビールのアルコールでは何本飲んでも足りなかった。

 そこで登場したのがバーボンである。バーボンをソーダ水で割ってガンガン飲んだ。ひどいときは毎晩一本飲んでいたが、しばらくすると落ち着いたものの、飲む酒はバーボンであった。ビールは通風に悪いという考えもあった。

 

 代々うちの家系は酒飲みで、父も、祖父も肝臓を患っていたくらいである。子供の頃から 家には酒がいっぱいあり、父もいつでも飲んでいた。高校の時には土曜日に友人が集まり、ウィスキー(日本製とかスコッチ)をこっそり飲んでいたが、結構 減っても父は文句一つ言わなかった。なぜか酒には寛大だった。

 

 しかし、父はバーボンは苦手で、ヤニ臭いといって飲まなかった。そういう酒を私がなぜ好きになったのかよくわからないが、今では私の方はスコッチがダメで、もっぱらバーボンである。

 

 バーボンといえば、昔はよくフォアローゼズとか飲んでいたが、問題のストレスの時期からEvan Williamsという銘柄が好きになり、現在ではEzra Blooksというのもよく飲んでいる。これらにはグレードがあり、高いのに手を出すと安いのを飲みにくくなるのが経済的には困る。

 バーボンにはたいていKentucky Straight Bourbon Whiskeyの表示がある。するとケンタッキー州でしか作ってないのだと思ったら、アメリカ在住の妹がバージニアのバーボンを土産に買ってきたりする。他の地域でも作っているようだ。

 

 さて、このバーボンだがどこでも飲めるというものではない。居酒屋によっては置いてな い所の方が多く、そういうときには我慢して酎ハイというのを飲んでいるしかない。私は上記の通りビールが通風でダメで、日本酒など醸造酒も二日酔いしやす い体質なので飲まない。するとバーボンしかないのだが、ないときにはつらいものである。

 温泉や旅館に泊まるとき、さらには地域の宴会の時、まずバーボンは出てこない。仕方ないから小瓶で買っていくのだが、ソーダは入手できない。

 日本では、たいていの人は飲み物を統一して酒盛りする。最初はとりあえずといってビー ルからスタートする。この習慣が私には困るのだ。アメリカではバーテンに「ウィスキー&ソーダ」と注文すると、顔色一つ変えず出してくる。田舎の旅館では 「バーボン」という言葉自体を知らない事も少なくない。「そんな変なもの飲むな!」って感じである。

 

 もっとも、外国だからどこだってバーボンが入手出来るというわけではない。2002年に香港に行ったときには、あんまりバーボンはなかった。イギリス統治時代が長かったのね。他の中国国内では、バーボンもソーダも以外と簡単に入手できた。

 

 アレルギーのサイトにもある様に、私は飲み物も食べ物も周囲の人と合わせるという事が出来ない。付き合いの悪い奴、と思われることもしばしばである。応援団の集まりなどでは、一級上の鈴木浩さんに冗談で、「和幸、俺の酒が飲めないのか。」とからかわれるのである。