「大空の夢 特撮の神様・円谷英二伝」発表

「大空の夢 特撮の神様・円谷英二伝」発表

 大空の夢表紙

 2019年1月11日、須賀川市中心分に市民交流館TETTEがオープンした。これに併せ、私は18年ぶりに円谷英二伝を発表、「大空の夢 特撮の神様・円谷英二伝」の名で大月書店から発売された。なお、タイトルの「大空の夢」は、1990年代、青年会議所時代に短編映画を製作したときの作品名から取った。

 

「大空の夢」製作のいきさつ

 「大空の夢」は、以下のような理由により、製作を思い立った。

○市民交流館のオープン

 須賀川市中心部に建った市民交流館TETTEは、大きな予算をかけた大がかりな建物。須賀川市の未来を賭けた壮大な建造物であり、その最上階には円谷英二ミュージアムができる。須賀川市出身の偉人として讃えられた円谷英二だが、今までこれほど大きくクローズアップされたことはなかった。この時期に円谷英二の伝記を発表するべきではないかと考えた。

 円谷英二という人物に関しては、あまり伝記が発表されていない。資料や情報を集めるのが難しく、伝記としてまとめにくいのが理由だが、当方は長年にわたる取材や資料収集によりそれが可能となった。また、円谷英二は自らが生み出した怪獣などのキャラが有名になりすぎ、そちらに関心が集まる傾向もある。怪獣だけが中心にならないよう、それを生み出した円谷英二についてきちんとした情報を発信すべきと考えた。

○相次ぐ子供用円谷英二伝の発表

 近年、子供用の伝記シリーズに、エジソンや野口英世と並んで「円谷英二」の名が見られるようになった。子供はほとんどウルトラマンやゴジラを見るので、それを作った人物というのは常に話題となるのだろう。こういった子供用伝記の参考文献には過去の私の本、「翔びつづける紙飛行機」、「特撮の神様と呼ばれた男」が登場する。

 それはいいのだが、「特撮の神様・・・」から18年、いつまでも古い情報が参考文献となるのは抵抗があるし、それぞれ出版社の倒産により絶版で、中古本を探して参考文献としているようだ。情報が古いと間違いもあり、それがそのまま使用されることがあり、頭を痛めていた。そこで、新しい情報も入れ、最新版を発表しようと考えた。

○出版社との関係

 今回「大空への夢」を出版した大月書店編集部の方とは、実は2017年の秋頃にお会いしている。当方の講演会の会場にいて、後日、その講演に関する本の出版を提案いただいた。

 ところが、その頃私は前作「クリーニング業界の裏側」執筆中で、残念ながらその要請には応えられなかった。現在、「本を書きませんか」と勧められることは珍しい。大変なチャンスを涙をのんでお断りしたのだが、2018年春、円谷英二ミュージアムなどの建設が発表され、それならまた書いてみようかと大月書店に提案したのである。これが了承され、発表に至ることができた。

 

「大空への夢」に関して

 一人の人物の生涯を描くのだから、基本的にコンセプトは前作「特撮の神様・・・」と変わらない。人生を4つのパートに分けて論じるのも同じだが、今回はそれぞれに新しい情報を多く盛り込んだ他、心の動き、生き方などを中心に描いた。戦前作品の評価なども前作よりは詳しく述べている。また、最後に第五章として円谷英二がどのような人物であったかを詳しく説明している。

 円谷英二は有名な人物でありながら、その伝記がほとんど出ない理由の一つに、出身地である須賀川の知識や、本人と須賀川との交流などに関して情報を得るのが難しい事情があると思う。この人物の場合、そこの点がかなり重要なので、欠かせない要素になる。当方は関係者にインタビューを重ね、地の利を生かして情報を集めたので、そういった点も今回の書籍には反映されている。

 多くの試行錯誤、苦労を重ね、何度も挫折を経験しながら映像の世界を追い続けた円谷英二の生き様をぜひとも知っていただきたい。

 20190130民報

20190125民友1

「大空の夢」出版に関わる講演を紹介した新聞記事