クリーニング業界の裏側
2018年出版。
2014年にNPO法人クリーニング・カスタマーズサポートを発足させた私は、発足直後から次から次へと起こる業界問題に翻弄される日々を送った。また、マスコミの反応も良く、読売新聞の「顔」、朝日新聞の「ひと」などにも紹介してもらった。
こういったNPOの活動を書籍にまとめたいと考えた私はいろいろ出版社を当たったが、既に世の中は出版不況の時代を迎えており、なかなかうまくいかなかった。
そこで、突撃リポーターとして知られる横田一氏に相談したところ、氏がよく本を出す緑風出版に相談してみたらといわれ、文京区本郷にある同社を訪れ、話が前に進んだ。
書籍は私がこれまでクリーニング業界で行った行為やNPO設立後の活動経歴、クリーニング業界の構造やその問題点などについて詳しく記載したものとなった。また、原案では問題企業の具体的な名前などについては「R社」とかイニシャルだけだったが、出版社の方針で、実名で記載することになった。
建築基準法違反やクリーニングの労働問題、政治や行政なども荷担する業界の問題点をほとんど記載して、廻り一面敵だらけみたいな内容になった。また、執筆中に保管クリーニング問題等も発生し、それも記載して中身が変わり、出版社には大変ご迷惑をおかけした。
過去にクリーニング関連本を上梓したときには各地で講演会が開かれるなど歓迎ムードだったが、これは業界から完全無視された。それもそのはず、この本はクリーニング業界全体を攻撃しまくっているからである。業界の秘密もあからさまにし、特に建築基準法違反の違法操業を続けている業者などはそれもモロに書かれているこの本を歓迎するはずもない。政治、行政、業界団体などすべて批判、事実だから仕方がない。
あちこちの図書館に寄贈したが、酒田市図書館はこれを貸出禁止とした。私は酒田市図書館を訪ね、「言論の自由を弾圧する行為だ」と抗議したが、同図書館の見解は「これは郷土本です」とのこと。みれば、図書館内には同市出身の大川周明、石原莞爾などの研究本がみな貸出禁止となっていた。郷土本との見解には納得しかねるが、もう一冊あれば貸し出すとのことでそのようにした。
今のところ、私が書きたいことを一番書いた書籍ということになる。